被爆者がひきうけた白い涙への賛歌〜平和への指標〜
「わるい子だから 罰したの?」
「だれが我が子を 罰したかろう」
大東亜戦争の末期、1945年8月長崎。つつましやかに暮らす18歳の少女‐白水陽子は、出征間近の徳治と祝言をあげた。
それから数日後、8月9日。長崎に原爆投下。陽子は、奇跡的に一命をとりとめるものの、被爆の後遺症を患うこととなる。大切な家族も失い、夫も生き別れた。これまでの名も人格も失い、新しい名前で新しい人生を一人で生きていくことになる。
「天罰だったのですか」
陽子はそう心に問いかけながら、生きつづけた。そんな陽子の心の支えとなっていたのは― 月。
「憎しみを伝えるのではなく、赦しを伝えてください」
戦後70年、日本から赦しの心を伝えたい物語。
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以下より、朗読用(90分版/ショート版)、物語版、英語編、舞台用のそれぞれがダウンロードできます。
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戦後70年をむかえて
−悲惨さを伝えるだけでは戦いはなくならない−
戦争の話といえば悲惨なもの、と思われるむきも多いことでしょうが、この『クスクスの木の物語』は長崎の原爆を背景にしながら、70年をかけて揺れうごきながら進む主人公陽子の魂の成長をえがいた物語です。悲惨さや残酷さをつたえるだけでは戦いや争いはなくならないことを、これまでの戦後の70年間、そして地球の歴史が示してきました。
心やさしい子どもたちが生まれてくるのに、だんだん生きることに疲れていくのはなぜでしょう?大人たちが過去への悔いと将来への不安のなかで生きていくようになるのはなぜでしょうか? 人は知らぬまにいろんな間違いをおかしながら生きていきます。いま現代を生きているわたしたちが、過去となった歴史から学びつくし、行動するエネルギーに変え、それを未来に投影させていくことで、足ぶみする歴史はなく、「いま」が未来となる時間を生きていくことができるようになることでしょう。
−日本から発信するもの−
現在の日本はいつになく発信をしています。そして日本からの発信を、地球のあちらこちらで待っているひとたちがいます。特別な人でなくていい、普通の人たちが発していることの集積と広がりが、世界を変えてきました。とっかかりは一部の特別なひとかもしれない。しかしその力を増幅させていくのは一人一人です。私たちは小さな一人ではなく、大きな力を秘めている一人といえます。
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